当院が開院してからの8ヶ月の間に異物の誤飲で来院された方は10件以上になります。中には催吐処置で事なきを得た子もいますし、残念ながら手術に至った子もいます。実際、思いがけない物を思いがけない方法で飲み込んでしまうこともよくあるので、これはもう飼い主さんが気を付けるしかありません(そして多くの子が繰り返してしまいます)。日頃から、口の届かない所に物を置くようにして、うっかり出しっぱなしにしないようにしましょう!あと、敷物(毛布やバスタオル、ペットシーツなども)を咬み咬みして、いつの間にか切れ端になったものを最後は飲み込んでしまうケースも多いので注意が必要です。
もしも何かを飲み込みそうになった時に、無理に取ろうとしたら逆効果です!多くの子はとっさに飲み込んでしまいます。そこで、何か他に気をひくものを準備して(トリーツなど)交換させるようにして取り上げます。急なことなので余裕がないかも知れませんが、落ち着いてやってみてください。
それでも残念ながら飲み込んでしまった時は、無理に吐かせようとせずにまずはご連絡をいただけたらと思います。なぜなら、吐かせていい物と吐かせてはいけない物(例えば、先の尖った物や化学薬品など)とがあるからです。
それから、本当に飲み込んだのかどうかの再確認も必要です。時々、どうしても吐き出してくれず、帰宅したら実は飲み込んでいなかった(物が見つかった)というケースがあります。飼い主さんもとっさのことで気が動転してしまうのだと思います。
また、実際に飲み込んでしまった場合には、来院の際に同じ物があれば(例えば靴下であれば、飲み込んでいない反対側)持参していただけると参考になります。あとは触診と画像検査(レントゲンやバリウム造影、エコー)などで状況を把握した上で飼い主さんと話し合ってどうするかを決めます。お薬を使って吐き出させるのか、内視鏡を用いるのか、あるいは手術になるのか。誤飲した物によっては選択が限られることもあるので、それぞれのメリットや注意点などを含めてよく考えなければなりません。
ちなみに、当院で取り出した異物の一部をご紹介します。こんなものを・・・!ということがよくあります。
実際には誤飲したからと言って、必ずしもすぐに手術になるわけではありませんが、安心してもいい異物というものは基本的にありません。「ウチの子はそういえば心配だな・・・」という方は、誤飲していない今こそ大事です!これから先「あの時うっかり出していなければ!」ということにならずに済むよう、改めてお気を付けください☆