大学の5年生(獣医学科は6年制なんです)の時に僕は、所属していた外科学研究室の教授に「西日本で忙しくて大きな病院を紹介してください」とお願いしました。忙しい病院のほうが経験が積めるし、多くの先輩獣医師がいる職場の方がいろんな考え方や技術を学べると思ったからです。
そしてその教授に紹介していただいたのが、広島市南区にある、平野動物病院でした。
平野健院長は母校・帯広畜産大学の先輩であり、同じ外科学研究室の先輩であり、寮の先輩であり・・・共通する経歴の多い大先輩でした。その平野院長から快く迎え入れていただいて、大学を卒業してから5年3ヶ月の月日を平野動物病院で過ごさせていただきました。
院長から学んだことはやはり今も僕の診療の基礎となっています。診療や術式などももちろんですが、1つひとつの患者さん・飼い主さんを大切にすることを教えてもらいました。院長に勧められて始めた、その日その日の診療をメモした「診療ノート」は今でも読み返すことがある、僕の宝物になっています。ノートを読むと当時の診療のことだけでなく、患者さんや飼い主さんとのやり取りやスタッフのみんなのことを思い出し、懐かしい気持ちになります。あの頃の真っ直ぐな気持ちと謙虚な姿勢をこれからも持ち続けて、診療を頑張りたいと思います。
・・・と、前置きが長くなりましたが、その平野院長がわざわざ広島から病院を見に来てくださって、久しぶりに(と言いながら、僕が平野動物病院を退職した後も何度か飲みに行っているのですが)ゆっくりとお話をしました。ちなみに当院の看護師さんの1人も平野動物病院の出身で、奇跡的な縁があって現在手伝ってもらっています。そのこともまた院長は喜んでくれました。こうして、退職した後もお互い良い関係でいられることはとても幸せなことであり、ありがたいことだと感じます。
平野院長、また学会でお会いしたときは飲みに・・・いや、勉強の話をしましょう!!